2009年10月5日月曜日

まきびし一件

忍者道具の一つとして広く知られている撒菱(まきびし)だが、同様の道具は世界各地に存在しており、古くはアレクサンドロス大王の時代にも使われていたという。

そんな撒菱に関して、またもチョ忍がやらかしてくれたようだ。


1.動画状況

1.1.チョ忍の動画
  • [転載][字幕] chosonninja, More affordable tips (eating Makibishi & cheaper Kunai)

1.2.関連動画
  • [英語][字幕] Scott氏, Tennenbishi, Makibishi, Tetsubishi Kusarifundo and books


2.内容


2.1.スコットさん、撒菱を紹介する

今からおよそ半年前、「天然菱、撒菱、鉄菱、鎖分銅、そして本」というタイトルの動画をスコットさんがアップした。

この動画の中では、乾燥させたヒシの実とともに、鉄製の撒菱や、投擲武器である鉄菱などが紹介されていた。


scott氏「これは天然菱です」


scott氏「そしてこれが鉄製の撒菱です。よく見るタイプのものですね」


scott氏「投擲武器の鉄菱です。裸足で踏んでも痛くありませんが
硬くて重いので当たれば大ダメージです」

いつもながらスコットさんは、日本人の私達が見ても勉強になる質の高い動画を作ってくれいる。
残念なことにその高すぎる質がゆえ、自称日本人のヤツをもせっせとお勉強をさせてしまう結果となってしまうのだが。


2.2.そろそろパクるニダ!

スコットさんの動画アップから半年を経て、そろそろ周りにバレないとでも考えたのだろうか。
チョ忍は、さも自分の知識であるかのように菱の実について語り出した。


チョ忍「これが撒菱ニダ!茹でて食べるととっても美味しい二ダ!」

おや?見た目がスコットさんの紹介してくれたヒシの実と違うぞ?
どうも、角の数が2本しかないような…。


チョ忍「マビシはこんなにリーズナブルなお値段ニダ!
ウリは箱ごと買占めたニダよ!」

どうみても「菱角(リンジァオ)」です。本当にありがとうございました。[*1]


2.3.ヒシに関する基礎知識

ヒシ科ヒシ属には変種・亜種が大変多く、専門家でも同定が困難であると言われている。
しかし、どんなシロウトであっても、2つのグループに大別することは可能である。

ヒシの実の角の数を数えればよいのだ。

ヒシの実は大別して、2本角(ニ刺性)のものと4本角(四刺性)のものがある。[*2]


日本のヒシ。左からヒメビシ、ヒシ、コオニビシ、オニビシ

写真を見れば一目瞭然だが、撒菱として使えるのは四刺性のもののみである。[*3]
四面体の各々の頂点に角があるため、どのように置いても必ず一つの角が上を向くからだ。


オニビシの形状

一方、チョ忍が紹介している「菱角」は二刺性だ。


菱角の形状

こんなもの撒いたところで、相手を足止めさえ出来ないどころか、後に回収されて美味しく食べられてしまう。
敵に塩ならぬ、敵に菱である。

当のチョ忍は、自分の間違いに気づくべくも無い。
平壌運転で、今日も暢気にアホを晒し続けるのであった。


チョ忍「ひげニダ!」


3.注釈&参考サイト

  1. …菱角
    読みはLing-Jiao(リンジァオ)。和名はトウビシ。英名は water chestnuts 。学名はTrapa bispinosa (ラテン語で“2本トゲのヒシ”の意)。中国南部、台湾などでは食用として広く流通している。また、華僑により米国にも持ち込まれ、カリフォルニア州で栽培 されているようだ。また牛の頭に似た形をしていることから Horn nuts とも呼ばれる。
    菱角 - 百度百科 (中国語)

  2. …ニ刺性と四刺性
    日本に自生するヒシ類のうち、いわゆるヒシ(Trapa japonica)はニ刺性、ヒメビシ、コオニビシ、オニビシは四刺性である。
    オニビシ- 西宮の湿生・水生植物

  3. …撒菱として使えるのは
    実際のところ菱の実は意外に脆く、敵が裸足でもない限り天然菱では足止めの効果はなかったとする説もある。

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